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モンテ・クリスト伯 / アレクサンドル・デュマ 

急に冒険活劇を読みたくなり、思いついてデュマを借りた。
図書館の誰も借りそうも無い静かな一郭。古い全集の中にあった。
おおっ、1971年発行とな。懐かし〜。子供向けの『巌窟王』を読み、高校の頃に『モンテ・クリスト伯』でも読んでいるはず。

ーー【 モンテ・クリスト伯 】ーー
マルセイユの前途有望な船乗り、エドモン・ダンテスは、知人たちの陰謀から無実の罪で捕えられ、14年間の牢獄生活を送る。その間に最愛の父は餓死し、婚約者は彼を陥れた仲間の一人に嫁いでしまう。脱獄を果たし、牢獄での師であり第二の父と尊敬するファリア神父の遺言により莫大な財宝を手に入れたダンテスは、モンテ・クリスト伯と名乗ってパリの社交界に登場する。
ここに壮大な復讐劇が始まる。
ーーーーーーー

復讐劇は楽しい。特に主人公の行動が理解できるもっともな理由がある時には。
有りがちなのは、復讐が終盤になりいつのまにか被害者が加害者に変わり、読者がやり過ぎなんじゃないの?と疑問を持つ頃に、主人公が(たいてい精神的に)痛い目にあって終わる物語である。
だが、この小説ではそんなことはない。主人公は後悔し悩みながらも「神のご意志」と、意気揚々と退場するのである。そんなところも安心して読める。
神と言う確固たる基準があれば、善悪は極めて単純、そういう時代だったのだ。

富にものを言わせ幾重にも張り巡らした罠に、敵はお約束のように嵌って行く。表面はあくまで上品に、裏では冷徹に。下品にならないのは、ダンテスに知性とキリスト教的道徳心が備わっているからだろう。

ナポレオンに王政復古、政治犯に新興貴族。フランス19世紀の時代背景が丁寧に書き込まれているからこそ物語が映える。そして格調高い。暗黒の地下牢も、金銀宝石が舞う洞窟も、社交界に突如現れた超大金持ちの伯爵も、おとぎ話度がグンと高く大人が楽しめる。

ダンテスが投獄されたという設定のシャトー・ディフには、「ダンテスの部屋」も「ファリア司祭の部屋」もあるそうだ。一度行ってみたい。
とりあえず、次はまた懐かしの『鉄仮面』を読んでみるか。



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(1956/01)
アレクサンドル デュマ

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